サクラ革命サービス終了発表に寄せて
※思った以上に反応貰えたので最後に追記しました(2021/04/23)
2020年12月にサービス開始したソシャゲ「サクラ革命〜華咲く乙女たち〜」のサービス終了が発表された。
リリース日からの現役プレイヤーとして所感を書き残す。
隊長RANKは85。それなりに日々プレイしてた。
なお、原作というか原案にあたる「サクラ大戦」については3まで発売時にプレイ済み。新サクラ大戦はアニメで半分程度見た程度であるので、原作に対する思い入れ度はほどほど…だと思って欲しい。
■問題点1. 虚無の時間拘束
メインシナリオは当初序章と、第一章の九州編のみ実装されており、2週間程度のイベント期間を挟みつつ、順次追加される形だった。これはよくある方式なので別段問題は無い……のだが、問題は何も無い期間の存在である。本当に何も無いのだ。
その期間はデイリー任務とされる経験値アイテムや成長素材を集めるための周回プレイをするしかない。それ以外にやることがなかった。
本作はオート戦闘機能があるため、バトルを選択したら終わるまで数分程度放置を繰り返すことになる。最近は戦闘自体を勝ったものとしてスキップするような機能を持ったソシャゲも珍しくないが、本作には残念ながら実装されなかった。
このため、まともにやろうとすると長時間スマホを占有され、他のことが何もできない。
2020年代にもなって、正直これは無い。
■問題点2.圧倒的コンテンツ不足
(1)でも触れたが、結局のところこのゲーム、ある程度キャラクターユニットを育て終わってしまうと、シナリオを読むか、イベント周回以外にやることが無いのだ。
という部分に運営も自覚的だったからこそ、成長素材を絞っていた部分もあるのだろうとは思うのだが、熱心なプレイヤーであるほどにキャラの成長を急ぎ、急ぐほどにドロップ率の低さに苛まれて疲れ果てていくという悪循環が発生していた感は否めない。
また、コンテンツとして成立しうるはずのキャラクターの彫り込み掘り下げに関しては、メインシナリオやイベントシナリオで展開される形になっており、結果として展開が遅く、個別でのやりとりがホーム画面などでの簡単な会話程度しかなかったのもコンテンツ不足の一因だと思われる。
キャラ紹介は公式サイトで!!とか言われても困る(実際、困った)。
■問題点3.バランスとUIの調整不足
これについては順次修正されていったので、今となっては大きな問題ではないのだが、当然、サービス開始直後に頻発する形になったので影響は大きかったと考える。
バランス部分は問題点2でも触れたように、育成素材のドロップ量、必要な量、取得のための戦闘に必要なスタミナがグチャグチャだった。批判を受けてリリース早々に実施したドロップ倍増+必要スタミナ減少も結果的には悪手だったと言える。1回の戦闘の時間が数分はかかるゲームで必要なスタミナが半分になったらどうなるか。
当然プレイ拘束時間が倍になるのだ。
UIに関しては兎も角こまかい部分が行き届いておらず、やたらに無駄な手数が増えることが多く、これも批判が多かったと記憶している。なお、現在はほぼ解消された。
待望だった同じ戦闘を繰り返す機能も今日、サービス終了の発表と同じくして、追加された。
…泣いていい?
■良かった点1.メインおよびイベントシナリオ(種子島イベント以降)
2回目のイベントである種子島編を含むそれ以降のシナリオに関しては画面演出も含めて大変出来が良く、これは素直に賞賛したい。
そこまでガチャでなんだか知らんが出てくるだけだったキャラクターを順次絡ませながら、独自の雰囲気を持ったエピソードが展開されていた。
登場済みの全主要キャラ+αが一同に会する天覧試合イベントも、意外なキャラの組み合わせと掛け合いなどが面白く良かった。
特に種子島編で登場する「星原そうか」くんが見せる、宇宙への強い憧れは印象深い。
メインシナリオについても中国編のメガロポリス出雲や、四国編・四国志のトンチキ具合は四国出身者として舐めとんのかと思ったが、面白くプレイさせてもらった。バトルの背景が農園とビニールハウスだらけなのは無駄にリアリティがあって感心した。
ほどほどアホで、シリアスなところはシリアス。この辺のノリはきっちりサクラ大戦の系譜だったと思っている。
■良かった点2.キャラクター
まず、ネットで出回ってる状況に異を唱えるが、キャラデザイン自体は悪く無い…というか寧ろ良いと私は思っている。作中でもロード時などに表示されるメインキャラデザイナーの方の描き下ろしたイメージボードの類いはキャラクターの日常や過去が垣間見えてとても印象深かった。
ストーリーに未登場のキャラに関してはそこしか情報源が無かったという部分もあるので、手放しで褒められなくもあるのだが、そこは強く主張しておきたい。
問題があったのは3Dモデルの部分である。キャラの魅力が命とも言えるキャラゲーにしてはイマイチな出来なものがあったのは事実だと思っている。これも最近ブラッシュアップされ、垢抜けたのだが……今となっては遅きに失したとしか言いようが無い。
批判の強い霊子ドレスについてはピンキリなので正直なんとも。大型のものがモッサいというのは正直なところ私も思うのだが、光武引き合いに出して批判されても、それはちょっととしか言いようが無い。
■良かった点3.BGM
これは特に説明の必要を感じないので略。田中公平先生しっかりとバリューを発揮してくださっている。
■なんとなくまとめ
まあ、根本的には今どき古くさすぎてちょっと…みたいなシステムと運営方針を基礎にしてしまったことが本作の最大の問題点だったと思います。それに加えての各種の調整不足と不具合がサービス開始直後に噴出したことで、ユーザの獲得に失敗したのは大きいでしょう。
多くの方が認識されている通りに、現在のソシャゲはプレイヤーの可処分時間の奪い合いなのですが、トレンドとしては他から可処分時間を奪うのではなく、掛かる時間を減らすことで限られた枠により多く詰め込もうというものです。本作はそれも出来ていなかった。サービス終了はとても残念なのですが、同時にしょうがないとも思っています。
ただ、個人的には愛すべき部分もちゃんとあった作品だったとだけは言いたかったので、久々に長文を書きました。
ただ…ね、どうしても納得いってないのがTwitterでの中傷紛いのディスの数々なんですわ。そりゃ至らない部分は沢山ありましたが、ゴシップやら真偽不明の情報やらで変な殴られ方しまくってたのが、正直目に余りました。
そこまでして殴る必要ありましたか?
■おまけ:Twitterで見ててそりゃ無いわと思った意見シリーズ
- 旧キャラ出せ:序章プレイしたら旧キャラの出る余地なぞ無いのは自明であるので、この手の意見を聞く度にウンザリ。要望あるのは分かるんですが…ね。
- B.L.A.C.K来たら課金する:そんな簡単に仲間になるような展開では無いのは序(略 要望は分かるが、あの展開でそんな簡単に仲間になられたら興ざめだろうよ…。
- DWガー!!:FGOの古くさいシステムベースにすんなやというのは同意するが、そこまでだ。
- BABAガー!!:知らんがな。ブロックしますね:)
- 〇〇案件:知らんがな。ブロックしますね:)
■追記
まず、記事の最初にもある通り、これはプレイヤーとしての所感であり、その立場から問題点と感じた部分を書いています。そもそも失敗の理由を網羅しようとはしてません。ゲームの出来自体もそうですし、広報の仕方や、第三者的な周辺事情も絡んでくるのは間違いないので…。
そもそもプレイを始めて、かつ継続しているため、それに至らなかった理由に関しては私としては語ることがありません。以上はご理解戴きたく。
以下、ブコメから
開発費30億
それ、私はまともな情報ソースに行き当たっていないのですが、事実なんですか?
私としては真偽不明のウワサ枠として処理してますが。
バレンタインイベントと好感度
あれはキツかったですね。まあ、まだ周回のモチベーションにはなりましたけれども…。そのタイミングで揃ってたメンバーは全員好感度を上げましたよ…
ニーア、Fallout76に流れ弾
そんなつもりは本当に無かった、すまん。
問題点は他のソシャゲでも同じ
それは実際そうでしょうね。既にひしめき合ってる魔境に素手で乗り込んでどうするというお話です。
連続出撃機能追加で快適になった。泣く
共に泣こう…
可処分時間を減らすのがトレンドと言うがここ1年で流行ったウマ娘や原神は重めな部類なんで面白いならそこは実は問題じゃないのかもしれない
原神は結局未プレイなので、なんともなのですが、ウマ娘とはゲームの方向性自体が違うので比較はし辛いです。とはいえ、圧倒的な魅力があれば可処分時間自体を奪えるってのは間違いないので、そういうこともあるでしょう。
なお今日、引退馬協会に入会しました。
SNS通じて二次創作などのユーザーコミュニティ
殴りすぎってのにも繋がりますが、Twitterなどで「サクラ革命」とかで 検索して貰うと分かるのですが、ぶっちゃけアンチコメントに該当するものが大半です。ですので、好意的なコミュニティ形成とか以前の問題だったという認識です。
もちろんファンイラスト描き下ろしたりしてる方もいらっしゃったのですが、公式タグ検索の結果がアレでは………。
以上。
あと、元記事書いたときはショックからの書き殴りだったので、書き忘れましたけれども6末のサービス終了まではメインストーリーが追加されるようですので、そちらにも期待しています。今回追加された近畿編も入りはよさげだったので…ちょっとまだ精神的に辛いので落ち着いたら進めようと思っています。