昼間たかしプロデュース「マンガ論争勃発番外編-表現の自由と覚悟を問う-」in阿佐ヶ谷ロフトA

出演者は松浦大悟(参議院議員)、荻上チキ(評論家)、兼光ダニエル真(翻訳家/NGO-AMI代表)、永山薫(批評家)、増田俊樹(映画監督)他飛び入りゲスト

まずお断り。第二部は中盤のグダグダや私にとっては唐突な脱線などが続いたためフォローしきれませんでした。飛び入りゲストについても同様。他のレポなどに勝手にお任せします(ぉぃ また話に集中しづらい環境に座ってしまったので細かい部分が前回よりそうとう怪しいです。ご注意ください。間違いの指摘等歓迎いたします。本記事下部にレポートを掲載されているサイト様へのリンクを追加しましたのでご参照ください。

第一部

規制論議、国会での現状について。またアメリカの現状、内情、事情について。それぞれ松浦大悟氏と兼元ダニエル真氏に聞く。
アメリカ大使館による国会議員向けの集会の題が凄い。「諸悪の中の最大の悪-児童ポルノ問題…」云々。
シーファー駐日大使の立ち位置。政治屋ではない。秘書官の関連文章の紹介。日本の「ANIME&MANGA」*1狙いうちしている。正義と善意の暴走の側面があるのがタチが悪い。大統領戦の結果によってはまるまるひっくり反る可能性は高い。
アメリカの現状。実在児童も架空児童も規制対象だが範囲が非常に狭い。架空の人物への性表現規制違憲かどうかがまだ確定していない。
アメリカの児童ポルノ法は労働法の延長である。子供を性産業の生産に関わらせてはいけないという視点。そこがまず日本と違う。性的な行為・思わせるものなら違法というレベル。
「ポルノ」と「猥褻」という言葉の日米差。まず「ポルノ」は名詞。「猥褻」は法律用語。「猥褻」に表現の自由はない。ただ猥褻かいなかは官ではなく民が決めるべきだとはっきり謳われている。陪審員制の国であることに注意。倫理を国家が規定すべきではないという考えの人は多い。

日本。国会の現状。国会審議はまだ始まったばかり。どう転ぶかわからない。アニメ、マンガがとりあえず規制を免れたというのは誤り。すべてはこれから。
警視庁にはアメリカからアメリカの児童ポルノにアクセスした日本からのIPリストが提供されている。…が現状逮捕できないし出来るようにしようよ的流れアリ。日本は「児童ポルノの最大の消費国」であるとも言われている。根拠は不明?
児童ポルノ法。担当省庁は決まっていない。児童ポルノ法で守るべきは誰よ…という部分が抜け落ち気味なのに他に話飛ばしすぎ。
マンガやアニメ好きは有権者とは見られていない。地方では目立たない。よって「省みられない」。

「単純所持」という言葉がまずミスリードなので「収集目的所持」という言葉に…という話もあるが、やはり収集という部分を誰が判断するかがまだ主観混じり。主観を取り除かねば話にならない。日本の児童ポルノ法での「児童」という言葉が示す範囲を理解してないひとはやはり多いのではないか。そのような人については「宮沢りえサンタフェが違法化する(当時17歳10ヶ月)のよ」は理解が得られやすいとか。
国会議員は正しい情報しらないから誤るので正しい情報を与えればOKという説には否定的。結局はその議員の基本の考え方によってしまいそれは変わらない。たとえ論理で勝っても最後で感情論にひっくりかえって考えが動かない。

第二部

ネット、放送、映画それぞれに携わる&詳しいメンバーを迎えての現状や体験談トーク。放送については元秋田放送アナウンサーという経歴をもつ松浦大悟参議院議員。ネットについては荻上チキ氏、映画については増田俊樹氏。
荻上チキ氏。学校裏サイトネット規制の根拠が求められている。裏サイトがいじめの温床なわけではなく、単なる現実の延長でしかない。学校でいじめられているものが裏サイトでもいじもられるのは当たり前。間違えた前提。一般化による現実との連結。ウェブの影響力の過大評価による不安感の増大効果。ネットなんてんな大したものではない。そこの認識の違いは大きい。
現状「学校裏サイトの基準本」とされている本に多くの問題点が存在するのをどうにか是正したいので本買ってねとのこと。

ネットリテラシを身に付けろとは言うが、仮に全員が身に付けた先にあるものは何か。どこまでも疑い続けるループ構造に取り込まれるだけではないのか。

放送業界な現状。「空気」と「雰囲気」に規制された場。ジャーナリズムをやる必要はない。ジャーナリズムぽいものを作るように教育される新人たち。

映画業界。当然スポンサーの意向等々で規制的なものは存在する。とあるエピソードが非常に楽しかった。

ネット規制については現状やっと発生した関連団体からの反論によってストップしている段階。民主党でも毎週のように勉強会が開かれていてそれがいつ終わるのやら…という感じ。ただ、ネット規制派は「ほらこんな酷いことがおきてるんですよ」と極一部の例を提示すればいいだけだが、規制反対派がその印象を突き崩すのは容易ではないとか。

議員への直接献金で意見を吸い上げてもらうってのはどーよという話について。お金渡すのは問題ないが「そのお金で動いてしまう」とそれは犯罪になってしまうし、結局数多ある献金の一つに過ぎないので効果は期待できないのではないか。

かんそー

なんか閉塞感があるなというのが正直なとこ。もっと長いスパンで考えていくしかないんだろうな。オフレコとのことだったので詳細は省くがマ○○○○○トの協賛の意味が取れたのが個人的には収穫だったかなーと。こういう風にイベントに参加したり、レポまとめたりしても結局何の役にも立てていないのではないかという思いは増強された。もっと具体的なアクションか…余裕的になかなか。荻上チキ氏のネット言説については頷ける部分が多かった。一度著作も読んでおきたい。

*1:CARTOON&COMICではなく「ANIME&MANGA」と表記されている