『マンガ論争勃発2』発売記念!! 昼間たかし東大入学お祝いイベント 永山薫vs昼間たかし これが現実だ!と、言われても・・・

公式サイト告知記事http://www.mangaronsoh.com/archives/57488.html
in阿佐ヶ谷LoftA。急な予定突っ込まれたせいで出遅れた。着1850ギリギリセーフだよまったく…。

ざっくり過ぎる概要。
19時00開始、23時30終了。前半19〜21時は三部構成。長年、下請編プロとして現役で活動し、その毒舌っぷりで名前の知れた塩山芳明氏の新著「出版奈落の断末魔 エロ漫画の黄金時代」宣伝を兼ねたトークから始まって、1980年代に漫画ブリッコなどでパロディマンガで活躍、女流エロ漫画家のはしりの一人中田雅喜氏、社会学者の金田淳子氏を中心としてのBL話。堺市の図書館BL問題とか。続く映画話は映画監督の増田俊樹氏、女優の大塚麻恵さんを迎えて昼間氏脚本の映画「おやすみアンモナイト  貧乏人抹殺篇/貧乏人逆襲篇」のCM映像から始まっての増田監督による昼間氏黒歴史暴露大会。
休憩&プレゼント大会挟んでの後半。コミケット準備会共同代表・COMIC1主催の市川孝一氏、赤ブーブー通信社の武田“コックローチ”圭史氏、同人誌研究家の三崎尚人氏を迎えての同人誌パート。同人誌図書館話やら、同人誌即売会の「お客さん」問題など。途中ゲストにもサプライズなゲストを加えての表現の自由についての話。
…てな感じですかね。席はぎゅうぎゅうでかなり盛況でした。途中行われた挙手式調査から年齢分布は30代中心。20代、40代がちょこちょことのことでした。

余談。なんかオーバーフローのメイザーズぬまきちから花が届いてて吹いたり。曰く「花より金送れ」


以下、詳細を。ただし全体に適当なので他のレポサイトさんも参考にしてください。あと「マンガ論争勃発」読んでね。

塩山氏オンステージ

塩山氏の話からおもろかった部分ピックアップ。ティーアイネットは簡単に言えば少年ジャンプ的形式。単行本で黒にならない作家は即放逐。現在塩山氏が一部担当しているバスターコミックも創刊当初は7、8人担当してたが今は…。90年代の規制の後のバブルを目一杯享受したティーアイネットだがぼちぼち良くない話も? だいたいn周年記念パーティーなんてやったとこは潰れるんだ。久保書店の印税は消費税並。最近は税率改定前という話も。
有害コミック規制運動空けでエロ漫画の売上は一気に躍進した。その飛び抜けた売上に全国の書店が飛びついて全国区化。バブル状態に。その頃は儲かって仕方なかったが、こんなのいつまでも続かないとずっと言ってた。しかし結局それが10年続いてしまった。しかし、いまはずっと下降気味。景気のいい話は聞かない。有害コミック運動による弾圧でエロ劇画は死んだ。落ち込んだ部数が回復することはなかった。

続いて都の最近の動き。曰く規制が公共事業化してるんじゃないかとのこと。以前より頻繁に呼ばれるようになった。都庁職員の態度も横柄になっている。基本的に自主規制の問題なのだから都の職員にんな態度とられる話じゃ無い。今の役人は利権絡みじゃないと動かない。コンビニが都庁のシマになってんじゃないか?。箱モノ出来なくなったが青少年育成だの治安だの言えば金が出るからねぇなどなど。

塩山氏への質問タイム。

エロ劇画から美少女マンガへの流れを教えてください。

ロリコン漫画家は群れて暮らしてるのでまいなぁぼぉいとかから芋づる式になど著書を読んでればお馴染み感ある話でしたが語り口が軽妙なんで面白い。

いがらしみきおに「ぼのぼの」以前があることを初めて知りました。どんなものを書いていたのか出来れば教えてください。

…えーと、まあ時代は流れてるってことで。私も年齢的に当然ぼのぼので知った口ですけどね。
20時退場。

日本エロ漫画/エロ劇画業界の生き証人ですし、自身のキャラが大変に濃い方なので純粋に楽しい時間でしたね。お話に関してはこれまでの著書で語られたようなものも多かったですがやっぱり生はいいよ生は:D

尊敬する司馬遼太郎先生の著作の横にBLなんかが列ぶのが許せないってあんたねぇ。

漫画家・中田雅喜氏、社会学者・金田淳子氏登場。年の差20歳の女性二人によるBL話に華が咲く。昼間氏が取り出したペンギンクラブ創刊号、いけないコミックとかに目を奪われたり。
堺市の図書館BL問題。図書館的にはぶっちゃけBLとかよく分からんのでほとぼり覚めまち。BLって何よ?ってな感じ。作成されたBLリストは既報の通りちぐはぐなもの。あの有名作品が入ってないなんてけしからん!!とか。そもそもリストに乗ってるのより手塚のほうがエロいよねーとか。だいたい尊敬する司馬遼太郎の横にBLなんて列ぶのが許さないとか言ってるのってあんたねぇ…そもそも新撰組系ジャンルの発祥やらなにやら司馬先生じゃない!!と思うんだけれど…とか。
JUNE創刊時の話。まだ女性への抑圧が強く色濃い時代。読み手の女性たちに「少年の着ぐるみ」を与え、女性性の抑圧からの解放を狙ったのでは…などなど。
大塚英志が今難しいことを色々と言って昔のことを語ってるけれど、中田氏が誘われた時の説明では下の毛を描いたらNG>でも下の毛を見えないように描くとそれはそれでダメ>だったら最初から毛が無ければいい!>毛がないのは幼女だ>ロリコン漫画の誕生。
2035終了。
シチュ重視と即物性/触手はどうですか?あたりのぶっちゃけトークは楽しかったなぁ。あそこで黒犬獣が出てくるとは思わなかったわ。

映画。増田監督登場。

昼間たかし黒歴史暴露大会だったので割愛。※全てフィクションです。
株式会社月の石 | 芸能プロダクション・俳優マネジメント・タレントプロデュース
2100終了。

休憩&プレゼント大会

休憩時間は物販コーナーにて塩山氏の著作や「マンガ論争勃発1&2」、赤ブーブー通信社の「R18の隣Ver.3」など販売。各人サインを求める人多数で大盛況でした。
プレゼント大会は事前に配られたアンケート用紙を用いた抽選での商品プレゼント。色々とモノはあったのですが一番笑い所だったのはPS「同級生2EXTRABOX ヒロインフィギュア12体入り」(正式名は失念)でしょう。ご存じの方も多いと思いますが、その巨大過ぎてかさばる箱ゆえに店頭で不良在庫になったり叩き売られたりしたアレです。……なんで今ここでこれやねん、マジに。
http://www.auction.co.jp/UserImages/img/0/68/62/m2251420040704163050.jpg
参考画像。
ちなみに私は筆記用具持ってなかったのでアンケート未回答です:D

同人誌話

21時25再開。
コミケット準備会共同代表・COMIC1主催の市川孝一氏、赤ブーブー通信社の武田“コックローチ”圭史氏、同人誌研究家の三崎尚人氏を迎えての同人誌話。

コミケでの準備会、印刷所、サークル、一般参加者の距離が離れてしまっているように思う。知識やノウハウが継承されていないと感じる局面が多い。それは問題。「コミケットの店長を出せ!」事件とか。
簡単にわかりやすく、皆に伝えていかないとやっていけない時代がすでにやってきている。げんしけんとからき☆すた読んでコミケをただ楽しいところだと勘違いしてくれては困る。斑目は足捻ったら即帰れよ。救護室にはそんなごっつい対応は出来ん。

新型インフルエンザ関係でmixiに「私は即売会に行っていいんでしょうか?」とか書いたヤツが居て、さらにそれに対するコメントで「そういうのは主催者様に聴いてみるといいと思います!!」…とかあってってアホか!! 同人誌は生き様だろ自分で決めろや、主催者になんでもケツ持ってくんな。遊び方を教えられていないヤツが多い。なんでもすぐ規制しろというヤツもいるが、そんなの守れるわけがない。我々のスタンスは守ることが出来る範囲のみちゃんと守ってそれを主張していくことだけだ。

特に○○とか以下略。

同人誌図書館の話。コミケでのアンケートでは75パーセントが条件付きで見本誌の図書館寄贈可。COMIC1では一割が不可。基本閉架式で考えているが、現在の分類がそもそも年・日・ビックサイトなどサークル配置のブロック単位でゆうパックの箱に入ってるてな状態なので閲覧性は悪い。○年夏の○○あたりにあった○○という同人誌をくださいと言ったら、ゆうパックの箱が2,3個出てきてその中から探すことになる状態。そのあたりをどうすればいいのかなど考えつつ粛々と進んでいる。

幕張>晴海あたりの話は楽しかったかな。「千葉やら警察やらに言われてとある運営がビビりまして…」『そりゃ、あんたんとこや!!』。お上とは上手いこと付き合っていかないといけない。

児童ポルノ

国会も開かれてなかったりであまり状況が動いていないのが正直なところ。ただ、民主案も自民案もどちらもダメなんで規制強化は間違いない。
海外主導の動きもちらほらと。タイのヘンタイカートゥーンとか、レイプレイ問題とか。

ちなみに海外アニメ市場はもうダメです。毎年さがり続けています。クールジャパン終了のお知らせ。次を考えないといけない。

22時30。新右翼活動家、評論家、一水会顧問の鈴木邦男氏登場。書けないような話とか色々。SPA!掲載で鈴木氏も参加している毒入りカレー事件の林真須美容疑者に対する誌上裁判記事の紹介や、林真須美容疑者を無罪であると確信する理由とか、それらに引っかけての裁判員制度話などなど。正直物騒な物言いはあるが、表現問題に関しての話はいくつか示唆深いものもあったと思う。今の若者は表現の自由のために戦った記憶もなく、それを勝ち取るではなく与えられるモノだと考えている…的なことなど。

赤木智弘氏、表現の自由について。

ここ最近、「喫煙が迷惑なら子育ても迷惑だ」の言説で良くも悪くも話題になった赤木智弘氏が客席から。曰く、前述の問題で色々と非難されたが、その中で「子育ては素晴らしいことだから非難されることではない」という形の話の持って行き方があった。しかしそれは素晴らしいから護らなければならないのではないだろう。同様に表現の自由についても素晴らしいから守らなければならないのではない。そこを見誤ってはならない。…的なスピーチ。

質疑応答。永山氏、規制問題に対して手詰まり感があるという漫画家・山本夜羽音に説教。あんたが政治的内容を含む漫画を描くと途端にエンターテイメントではなくなる。だからダメなんだ。そこを創意工夫するのが漫画家だろうが!!的に熱いご意見。いくら主張が正しくても、ただ表現の自由を叫んだだけでは届きはしない。届くようにしないといけない。夜羽音氏はちょっとしょんぼり気味であった。

ケータイ配信の規制が凄いのだがどうおもうか? 会社によって内容が違うし、消しや修正、トリミングが激しすぎて漫画作品として破壊され、作者が複雑な想いを抱いている場合もある…。

企業の自主規制には法的に問題はない。社内規定は面には出てこないので基準も見えない。担当者の胸先三寸でやられたのではたまらないのだが…。客席から「現場に編集者も漫画家も居ないのがダメなんじゃないか?」そういう側面もあるだろう。

表現問題に関して周知を行っていうというスタンスのようだが、その意義は何か? またエロを広く認知させようとしても、それは無理じゃないのか?

表現規制問題のなかではエロは極端な例でしかない。瑣末な問題であることを認識すべき。しっかりと問題について勉強し、語る必要が出た場合は皆語れるようになるべきではないか。※【追記2009/05/22 00:30】質問者の方の質問意図はこちらを参照:http://wmro.at.webry.info/200905/article_5.html 連絡頂いたのでリンク追加します。

結局、金もって偉くなるしかねーよなorz ということで〆。

総じて

前半はエンタテイメント色が強めで軽く楽しめる感じで。本番の後半。正直もうちょっと同人関係のメンバーの話を聞きたかったんですが、鈴木氏の話も面白くはあったので複雑。それぞれが「何が問題であって」「それについてどう考えているのか」を裏付けを持つ形で学んでいかないとダメってところかな。ああ、耳が痛い…。

永山薫プレゼンツ「2007-2008マンガ論争勃発」どうなる、どうするマンガ界?in新宿ロフトプラスワン - 崩壊日記(出張所)
昼間たかしプロデュース「マンガ論争勃発番外編-表現の自由と覚悟を問う-」in阿佐ヶ谷ロフトA - 崩壊日記(出張所)

マンガ論争勃発2

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出版奈落の断末魔―エロ漫画の黄金時代

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