エロゲのコミカライズ話【追記アリ】

エロマンガとエロゲの垣根って思ったより高い?-たまごまごごはん

こちらを読んで何点か気になった点について。

純粋にエロゲーの販促のための一般作としてのコミカライズ

…というのを具体的に私は知りません。実際ほとんど存在しないはずです。基本的に一般向けにコミカライズされるエロゲーは別のメディアミックス、つまりコンシューマ移植やアニメ化とのセットだと思います。これらはエロゲーを一般層にアピールするためではなく、アニメやコンシューマゲームをその販促対象としています。

エロゲーの長編エロコミカライズは存在しないか

確かに数は少ないですが、いくつか存在しています。古くはCOMICメガストア創刊号前後で、何度か連載されたF&Cの「Nutural-身も心も-」のコミック版(当時の記述その2)、最近だとCOMIC XOでのCLOCK UP「黒の歌姫」のコミック版。これは単行本も1冊発売されています(かんそーぶん)。…ただまあどちらも途中で音沙汰無しになって完結してないですけどね(汗 ほかにも変則的な形でのものがちょっとあったと思いますが、残念ながらさっとは思い出せません。
このへんの連載の難しさについては、元エントリの指摘にあるエロノルマ等の影響は確実にあると思います。

エロゲーの長編エロコミカライズは存在しないか【追記

アアルの「コ・コ・ロ…2」も原画担当の影崎由那先生自らの手でエロありで連載漫画化されてたっけ、そういうえば。コミックメガストア連載。単行本にはなってなくて後年同人誌でまとめられてますね(とらのあな)。詳細についてはシナリオライター美汐優さんのページの「コ・コ・ロ…2」の項目にまとまってます。

エロゲーにおけるメディアミックスの立ち位置

エロゲーのノベライズ作品の多さについては、ここ10年ばかりのエロゲー業界はノベルゲーが中心だというのも念頭に置くべきでしょう。親和性の高さは折り紙つきです。雑誌連載せず、書きおろし単行本として発売するというスキームも確立されていますし。
あと上と被りますが、エロゲーのメディアミックスというのは「切り売り」であるというのも付け加えておきます。既に完成して存在する原作から文章やCG、設定などの要素を切り出して、ほかの商品を作って「複数回売っている」のです。副産物を原作の販促品としているということは少ないです。

オチナイオチ

ぱっと見て指摘すべきかなと思ったのはこのくらいですかね。私はヘビー気味のエロゲーマーからエロ漫画読みに転向したわけですが、切っ掛けとしてはやはり「時間」の問題があります。学生時代のように好き勝手に時間を使えなくなってしまうと、現在のボリュームのあるエロゲーの敷居の高さは否めません。腰をすえてプレイするというのが難しいわけです。その点エロ漫画は自分の時間で自由に、かつ大量に読めるので重宝しています。細かい短編としてのエロゲー原作エロ漫画は現在だとCOMIC XOの公式アンソロジーシリーズが大勢を占めていますが、アンソロジーの名に恥じない出来上がりな場合が多いのが以下略。あと、これは小説ですがキルタイムコミュニケーションの二次元ドリーム系では、シナリオライターによる小説を先行発売、後にそれをベースに膨らませた形でのエロゲー化というちょっと変わったパターン*1とかもありますね。

ということでなんらオチをつけずに言いたいことだけ言って終わります(ォィ

追記

あと、エロゲーマーとエロ漫画読みのパイの小ささも念頭に置くべきというのを書き忘れていた。なんだかんだ言ったってやっぱり消費者の母集団自体がそう大きくないんですよ。だからあえてそんな場所に対してアプローチするよりは、より外側に向かってアプローチした方が効果が望めるってのもあると思います。

追記その2

ただ、上のエントリーでは一般向けエロゲコミカライズのエロゲに対する販促効果を否定していらっしゃいますが、それは確実にあると思います。エロゲ会社にとっては、コミカライズもアニメ化もコンシューマ移植もみんな、自社&自社作品の宣伝になるというのが最大のメリットなんですよ。もし宣伝効果がないのだとしたら、エロゲ会社にとって自分のコンテンツを出版社などに貸し出す意味なんてないじゃないですか。
エロゲとエロマンガの幸せな関係を探して-Half Moon様

えーと、販促効果を全て否定しているわけではないです。あくまでもそれらは「コンシューマ版(アニメ版)の拡販が主目的だ」と言っています。あえて規模の小さい層に対して販促をする必要性がありません。
エロゲ会社にとってメディアミックスの一番の旨みは「版権収入」です。メディアミックスで何本売れた一本幾ら…なんてそんな細かい話ではないのです。「製品の権利」を他社に切り売りすることで利益を得ているわけです。直接の商売の相手は一般客ではありません。「出版社に貸し出し」てるのではなく「出版社に売っている」のです。現在でも各種メディアミックスを全て自社でコントロールしているエロゲ会社はほとんどありません。そんな体力も人員も持っているエロゲ会社はごく少数ですから。

*1:まあ、むかーしむかしにもあった気はするが